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2010年6月23日更新


研修生制度 について

研修生制度とは?




理念と基本枠組み

「外国人研修生」は、民営または国公営の送出し機関から送出されて来日し、日本側の受入れ機関において研修する。研修生の滞在期間は、基本的には1 年以内である。開発途上国への技術移転を確実に行うため研修計画が作成され、研修生はこれにそって研修する。その後、国の技能検定基礎2級相当に合格する 等、所定の要件を満たした場合には、同一機関(会社)で実践的な技術習得のために雇用関係の下で更に2年間滞在することが可能となる。これを技能実習とい い、研修・技能実習と合わせると最長3年間の滞在期間となる。受入れ方式は大きく二種類に分かれ、事業協同組合や商工会議所等がそのメンバーである企業等 と協力して行う研修生を受入れる形態を「団体監理型」といい、受入れ機関の合弁企業・現地法人・一定の取引先企業等から企業単独で受入れる形態を「企業単 独型」という。受入れが可能な研修生数は、原則として、受入れ企業の常勤職員20名に付き、研修生1名である。ただし、「団体監理型」では、受入れ可能な 人員の枠が緩和されている。近年、「団体監理型」による研修生の受入れが拡大しているが、問題点も多い。

制度の問題点

近年では研修生の急増に比例するように人権侵害や事件が多発している。

典型的な事例は、パスポート取上げ、強制貯金、研修生の時間外労働、権利主張に対する強制帰国、非実務研修の未実施、保証金・違約金による身柄拘束、性暴力などで、2006年にはトヨタ自動車の下請け企業23社での最低賃金法違反、また岐阜県内の複数の縫製工場では時給300円で残業させていたことなどが報道された。

また、制度の趣旨と実態の乖離も指摘されている。いわゆる3K職種など日本人労働者を確保できなかったり、中国などの外国製品との価格競争にさらされている中小企業が、本来の目的である国際貢献ではなく、低賃金の労働力確保のために本制度を利用するケースが目立ち、研修生の中にも技能修得ではなく「出稼ぎ」として来日する者がいる。

このほか、1997年、技能実習期間を1年から2年に延長するときの国会論議を契機にKSD中小企業経営者福祉事業団(当時)と自民党議員の贈収賄事件が発生した(KSD事件)。

米国務省の人身売買に関する2007年版報告書では、この制度の問題を取り上げ、非人権的な状況に置かれている研修生の状況把握や問題解決などを指摘している。同年7月1日には米国務省マーク・レーゴン人身売買監視・対策室長が来日して日本側に制度の廃止を提案した。

元法務副大臣の河野太郎議員(自民党)は自身のブログにて、本制度も含めた日本の外国人労働者受け入れ政策を「ほとんどイカサマ」と発言するなど[1] 、問題認識は広がりつつある。しかしながら、政府の審議会・研究会やプロジェクトチームでは存続・拡大路線が主流であり、研修・技能実習の期間を最大5年に拡大することや再研修が議論されている。確かに円満な研修・技能実習を実施している企業もあり、受け入れ企業のみならず研修生からも期間延長や再入国を求める声がしばしば聞かれるが、制度拡大と同時に、上記のような人権侵害の防止も必須の課題である。

ジャーナリストの若林亜紀は国や地方自治体の公務員が天下り団体をつくってブローカーとなり、多額の研修費をピンはねしていると指摘する。[1]

制度改正の動き

高まる批判を背景に2006年12月には規制改革・民間開放推進会議が答申において、2009年の通常国会までに研修生保護に関する法案を国会に提出するように求め、改革への取り組みが本格化した。 法務省は2007年12月26日に「研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針」を改訂した[2]。上記問題点でも挙げられている受け入れ機関による研修生のパスポートの保管について、研修生本人の要望があったとしても認めないとするなど従来よりも厳しい内容となっている。本指針に違反する行為があれば、3年間の研修生受け入れ停止などの処分を受けることとなる。厚生労働省は省内に研究会を設け、改正案として、団体監理型の研修の代わりに技能実習を3年として労働法令による保護を強化することなどを盛り込んだ中間報告書を2007年5月に公表した[3]。 経済産業省も研究会を設置し、最初の1年の研修期間はそのままとする一方、研修生の相談窓口などの保護制度の強化、また技能実習終了時に技能評価試験を課し、合格者にはより高度な実習を受けるために再来日する機会を認めるとした改正案を2007年5月に公表した[4]。


関連統計

「法務省出入国管理関連統計」によると、外国人研修生の入国は年々増加しており、2005年で83,319人、そのうち、財団法人国際研修協力機構(JITCO)が支援した研修生総数は57,050人(団体監理型:49,480人、企業単独型:7,570人)となっている。(2006年度版 JITCO白書より)入国する外国人研修生の国籍は、中国が55,156人と全体の66.2%を占める。(2005年) ほかにインドネシア、タイ、ベトナムなどからの受け入れもある。


要件などは?

外国人研修制度は、諸外国の青壮年労働者を日本に受け入れ、1年以内の期間に、我が国の産業・職業上の技術・技能・知識の修得を支援することを内容とするものです。

入管法上の在留資格は「研修」と、なっております。


研修生要件として

研修生は、次の(1)及び(2)のいずれにも該当しなければなりません。

(1)いずれの研修型態にも共通の研修生要件

次の1.2.3.のいずれにも該当する者

  1. 18歳以上の外国人
  2. 研修修了後母国へ帰り、日本で修得した技術・技能を活かせる業務に就く予定がある者
  3. 母国での修得が困難な技術・技能を修得するため、日本で研修を受ける必要がある者

(2)研修型態による個別の研修生要件
■企業単独型研修の受入れの場合(企業が単独で行う研修生の受入れ)
次の1.2.3.のいずれかに該当する者

  1. 送出し国の国または地方公共団体、あるいは、これらに準ずる機関の常勤の職員であり、かつ、その機関から派遣される者
  2. 受入れ機関の合弁企業または現地法人の常勤の職員であり、かつ、その合弁企業または現地法人から派遣される者
  3. 受入れ機関と引き続き1年以上の取引実績、または過去1年間に10億円以上の取引の実績を有する機関の常勤の職員であり、かつ、これらの機関から派遣される者

■団体監理型研修の受入れの場合(受入れ団体がそのメンバーである企業等
   と協力して行う研修生の受入れ
   次の1.2.のいずれにも該当する者

  1. 現地国の国・地方公共団体からの推薦を受けた者
  2. 日本で受ける研修と同種の業務に従事した経験がある者

● 研修生を受け入れることのできる受入れ機関
次の(1)(2)のいずれかに該当する企業
   (1)企業単独型研修の受入れの場合
   海外の現地法人、合弁企業、または外国の取引先企業(一定期間の取引実績
   が必要)の常勤職員を研修生として受け入れる日本の企業
   (2)団体監理型研修の受入れの場合
   日本の公的な援助・指導を受けた商工会議所・商工会、事業協同組合等の中
   小企業団体、公益法人などが受入れの責任を持ち、その指導・監督の下に研
   修生を受け入れる会員・組合員企業


●受入れ可能な研修生の人数
   原則として、受入れ企業の常勤職員20名に付き、研修生1名の受入れが可能
です。 ただし、商工会議所や協同組合等を通じて受け入れる団体監理型研修は、受 入れ可能な人員の枠が緩和されます。

●研修の対象となる業務
   修得しようとする技術・技能等が、同一の作業の反復(単純作業)のみによって 修得できるものではない業務です。

●滞在期間
原則として1年以内です。

●研修期間
   研修は、実務研修を伴う場合は、原則研修期間を非実務研修(研修生を集め た集合研修(1ヶ月160時間)を含む)と実務研修を1:2の割合で行わなくてはな りません。

●受入れ機関の責務
受入れ機関は、次の事項を遵守しなければなりません。

  1. 研修計画の作成・履行
  2. 生活実費としての研修手当の支払い
  3. 受入れ企業ごとに研修指導員や生活指導員を配置
  4. 研修生のための宿泊施設の提供
  5. 研修施設の確保.
  6. 労働安全衛生法に定めている安全衛生上必要な措置を講じた研修施設の整備
  7. 研修中の事故等に備える保険の加入
  8. 内職や時間外の研修等不適正な行為の排除等
  9. (団体監理型受入れの場合)受入れ企業に対する団体としての監理(指導監督)

● 研修計画の作成とこれに基づく研修の実施

  1. 研修計画の作成
      研修を実施するには、まず研修計画を作成しなければなりません。研修が実効あるものとなり、研修生が技能を修得できるか否かは、研修計画の内容が出発点です。
      作成に当たっては、1年間の研修修了時に技能検定基礎2級の技能レベルに到達することが必要です。
      非実務研修と実務研修との関連も重要です。
      実務研修を行う場合には、原則として研修総時間の3分の1以上の時間を「非実務研修」に当てることが求められています。非実務研修がお座なり では実務研修の成果は期待できません。そのためには、企業の現場での実務研修の内容を明確にし、非実務研修はどのようなものが効果的かを考え、日本語の理 解、研修を行う産業・職業の技術や知識、安全な作業等に関する非実務研修を計画することが重要です。
      このような点に留意し、研修計画は非実務・実務の研修の具体的なカリキュラム、スケジュール、指導体制等を記載したものとして作成します。

  2. 研修計画の履行
      受入れ機関は、作成した研修計画に従って、これを確実に履行しなければなりません。
      
  3. なお、研修の実施過程で不都合な点が生じたら、研修計画を修正し、予め地方入国管理局の承認を得ておく必要があります。受入れ機関が勝手に研修生の受入れ先を変更したり、研修手当を変更することは許されません。

● 研修生の処遇

  1. 研修生向け処遇通知書の交付
      受入れ機関は、トラブルを未然に防止し適切な処遇を行うために、研修生に対し研修内容、研修時間、研修手当等に関する処遇について文書で通知しなければなりません。なお、研修生は、労働者ではないので、時間外研修や休日出勤による研修をさせることはできません。

  2. 研修時間の取扱い
      研修は、受入れ機関の通常の労働時間内に実施することが適当であることから、原則1週40時間を基準としてください。時間外・休日研修は許されていません。

  3. 研修手当の適正な支払い
      研修手当は、研修生が我が国滞在中の生活に要する実費(食費、衣料費・教養娯楽費・電話代等のその他雑費)として支給されるものです。この研 修手当は、受入れ機関が研修生本人に直接、全額、毎月一定期日に支給しなければなりませんが、入国時に当座の生活資金として研修手当の一部を支払ってくだ さい。口座払いをする場合には、本人の同意が必要です。通帳・印鑑・キャッシュカードは本人に保管させてください。
      なお、本人の往復渡航費、住居費、研修実施費用、保険料等は原則として受入れ企業等が負担します。
      また、送出し管理費は、研修手当とは性質が異なり、送出し機関の適正選抜、派遣前教育、健康診断等に要する経費の全部又は一部を受入れ機関が 援助するものです。受入れ機関と送出し機関は、送出し管理費と研修手当を明確に区分し、研修手当から送出し管理費を徴収しないようにしてください。送出し 管理費をいくらにするかは、送出し機関の行う業務内容を勘案し、受入れ機関と送出し機関で十分相談して決定してください。

  4. 研修生のその他の処遇
      研修生は労働者ではないため、研修中に事故や疾病が発生した場合、労災補償は受けられません。このため、研修中の事故・疾病に備え、民間保険 への加入や研修に係る安全衛生対策を講じることが受入れの条件となっています。JITCOは、損害保険会社と契約し、研修生専用の割安な保険を提供してい ます。
      また、パスポート等は研修生本人に所持させてください。



詳細は、JITCOさんへお問い合わせください。



ベトナムでの研修生


トヨタさんなどで起きた、研修生問題は、

今後、さらに起こりうる可能性があります。


中国・インドネシアなどの前例をもとに、
慎重に受け入れましょう。



























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